ゆるぱん

You-Tube音楽、ショートショート、詩、創作日記

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過去のバイト-07-家電品店

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レゴで作ってみました
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*ステレオの好みは
 LUXMAN プリメインアンプ SQ503X
 これはハイブリッドじゃったかな


 PIONEER スピーカー CS-E700
 たぶん アッテネーターが前面についてたと思う


 オープンリールは38のセンターキャプスタンどす
 マニアではチャンネルデバイダーとか
 ビクターのグライコ SEA などなど
 


*家電でバイトをしていた頃、
 スカイセンサー ICF5800 から ビートルズの
 カムトゥゲザーが流れていた
 低音がすごかったのを覚えている
 そのころはエンクロージャーのキットなんかを
 組み立てていた、ユニットは たぶん 三菱のPB160かな
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小話-033-回り道(天女から愛された男)

回り道
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杉田道夫は今朝、久しぶりに、早く目が覚めた
朝食を済ませ、支度をして、いつもの様に
会社の方向へと歩いていくが


途中で、会社に着くのは早いな、
回り道をしていこうと考え、
いつもはここで右に曲がるのだが
左に曲がり、車道の左を歩いて前方にある
公園を目指して歩いていた


突然、何か大きな声が後ろからした
右に身体を回して見ようとしたが
急に斜め前につんのめって両手を着き
、後ろから来た車と接触しそうになった、
と思った


痛い足をさすりながら、立ち上がろうとしたが
あれ、立ち上がる前に左右を見ると
左を車が走っている


とまどいながら、その場でぐるぐる回りながら
前と後ろを確認したが、
やっぱり道の反対側に来ている


道路左の遠くに公園が見える、ここからだと
もっと回り道になる、会社のほうがずっと近い
そのとき、なま温かい風が身体をとおりぬけた


なんだろう、まあいいや、と思いながら、
そのまま歩いていくと交番が見えた


こんなところに交番なんてあったっけ
いつもは車のはんたい側を歩いているので
気がつかなかったんだろうと思い


その先の歩道橋めざして、
もくもくと歩いていて、良く見たら、
歩道橋と交番の間に柵がある


その歩道橋は交番のうらを通って行くみたいだ
交番のうらに行くと人が3人並んでいる


その横に太った優しそうなおまわりさんが
両手を後ろに組んで反り返りながら、
にこにことこっちを見ている


私は頭をさげ、あいさつしながら、
通り過ぎようとすると
おまわりさんが寄ってきて


君君、君は見かけない顔だねえと、
にこにこしながら、近寄ってくる、
名前を聞かれるので、答えると、
中に入って待つように言われた


しばらくして、君はこの町に来て1年目だね
君には市民を守る義務がある
町保険所は市民の助成金で成り立っている


町に来て1年たった人は
会員にならなければならないと言われ、
初回金の500円を払わされた


道夫は外に出て、1年前のことを思い出していた
そうか、1年になるのか


理想をもとめて、高望みしたのが間違いだった
美人薄命というが妻は結婚8年目で死んでしまった
その後、マンションを売り払って、そのお金で
これから先は優雅に独身貴族を過ごそうと
この町にやって来たのだった


あらためて看板をみると、警察の下に
小さく立ち寄り所と書かれていた
歩道橋を渡り、降りてしばらく歩いていくと


また、交番らしきものがある、
今度もあやしいなと思いながらも、
急いで通り過ぎようとすると
今度は背の高い、いかつい顔をした警官が
近寄ってきて、呼び止められた


君はこの歩道橋を渡るのかね、と言われ
大きなプラタナスの木を見ると、
また歩道橋がある。向こうへ渡るには
やはり渡らなければいけないだろう


この歩道橋を渡るには番号札が必要だ、と言われ
2枚の番号札のどちらかを選らばされた
右の番号札を選ぶと、


本当にそっちの番号札でいいのかね
とひつこく聞かれたので、優柔不断な私は
じゃあ、左にしますと言って、左の番号札を
もらい、歩道橋を渡っていった。


歩道橋を降りようとしたら、通りすがりの
腰の曲がったばあさんが、すれ違い様に
おや、あんた、けつに尻尾が生えてるよ、と
言うのが聞こえた


歩道橋を降りて、歩いていくと、
前方に人だかりが出来ている
何だろうと人越しに覗くと、人骨が見えた
どうやら、道路工事中に出てきたみたいだ


またも、回り道か、しかたなく、民家の裏へと向かう
家と家の間の細い路地を通っていくと、
今度は少し背の低いおまわりさんが立っている


今日は、よくおまわりさんに会う日なんだろうと
思いながらも、路地を抜け、そのおまわりと直面した、
君、番号札はと聞かれたので、渡すと


「おお、42番か」と言われ、小さな紙を渡された
「その紙は大事なものだから、なくさないように」と
言われたので、財布にしまいこんで、
会社の方へ向かった


いつもの様に仕事をし、昼食時に、れいの紙を
改めて見た、どこかで見たような絵だ、
右上に42と書かれてある


帰り際に、あの絵をどこで見たのか思い出した
たしか、以前妻と暮らしていた町の骨董品店だ
店の壁にマントラの図が飾ってある
その絵の中の文字じゃないかと思った


今から行ってみよう、ここから5つ目の駅だから
30分も掛からないだろう、
家で待ってるものはいないし、


骨董品屋に行き、店主に紙を見せると
これは、サンスクリット文字と言うのだそうだ
彼はその字にあまり詳しくなく、読めないらしい


今日はおかしな日だったと、思いながら寝た
翌朝、起きると身体がだるい、
肩に何か乗っかっているような気分だ


それでも、会社は大事なので出かけた
今日は、昨日のような事が起きないように
三叉路を右に曲がって行った、が


また、なま温かい風が前から、吹いてきて
後ろに引っ張られて、しりもちを付いた
どうなってるんだ、と思いながら、立ち上がって
見回すと、昨日と同じ場所にいるではないか


しかし、今日は横に誰か立っている
なんだか、ぼーっとした、世捨て人のような老人だ
「かわいそうに」と、その老人はぼさっと言った


え、何んですかと、聞くと
その老人は「42番を引いたのか、可哀想に」と
言って、


「その紙は、しに紙だよ、早く仙人の所に行って
しっぽを取ってもらわないと」
といい、どこかへ行ってしまった


ぼーっと、考え事をしていると、
後ろから大声で叫びながら
昨日の背の低いおまわりさんが走りすぎて行った


「やらいでか」と言ってたのが、今度は聞き取れた
何の意味だろう、


なんだか、こわくなって、
私もさっきのおまわりさんの後を追いかけた、


すると、さっきのおまわりさんと
昨日の太ったおまわりさんが
町保険所の前で手を取り合って、踊っていた


私はだんだん、気味が悪くなって、Uターンして
元の道を引き返し、走った
すると、さっきの二人が追いかけてきた
私は死に物狂いで、走った


突然、「やらいでか」とまた声がした、
そのとたんに、私は切れたガードレールから
道路の下を走っている川へと落ちてしまった、


私は泳げない、必死でもがく
だんだん息が苦しくなる、
このまま死んで仕舞うのだろうか



その頃、例の骨董屋のおやじは
客の来ないのを懸念して、早々に店を閉めて
地下の物置でロキングチェアーにすわり、
音楽に聞き入っていた、


突如、音楽が消え、イスはゆれ中途で止まり、
金縛りにあったように身体が動かなくなった、
何か熱いものを後ろに感じ、
やがて、後ろから声が聞こえてきた


「私は以前、夫とよくここへ参りました、
 夫の名前は杉田道夫でございます」


「ああ、さきほどこられた方の、なぜ、ここへ」


「私は実はこの世のものでは、ございません、
 なので
 人間界とは接触が出来ないのです」


「では、どうして私とは」


「そこに置いてあるジャコウの飾りのおかげです
 今、主人は川で溺れて死に掛かっています
 どうか、主人を助けてやってください」


「どうすれば、いいのでしょう」


「その机の上にあるマンダラの絵の布の上に
 ジャコウの飾りを載せてください、
 そうすれば
 一瞬だけ仙人と連絡がとれますから」


「では、そのように」


ジャコウの飾りはらせん状に舞い上がり
天井近くで消えてしまった


「ありがとうございました」


音楽は戻り、イスはゆれ始めた、
興奮と驚きで、店の主人は涙が出ていたが
しばらくそのまま、じっとしていた


私は急に誰かが、私の手を握るのを感じた
身体が浮かび上がり、水面を走り、
小高い丘の上に降ろされた


声が聞こえる


「彼女にも困ったものだ、大丈夫かね」


「はい、お陰で助かりました、あなたは、誰ですか」


「私は、あの山の空に住む仙人じゃよ」


「何が私に、起こったのですか、私のせいでしょうか」


「いやいや、君に責任はないよ、
 君の妻が時の鐘をならしたタイミングが
 悪かったのじゃな、


 彼女は君に会いたいが為に、
 時の鐘を鳴らし人間界と
 接触を図ろうとしたんだが、
 妖怪おまわり3人組に
 それを聞かれてしまった、というわけじゃ」


「じゃあ、あの警官たちは」


「そうじゃよ、あの警官たちは、やらいデカ、
 さそいデカ、まよいデカと言ってな、
 機会があれば3人で人間どもをたぶらかそうと
 している妖怪じゃよ、


 はははは、しかしもう大丈夫だよ
 君についた尻尾は切ったし、
 もう鐘も鳴る事もないじゃろう」


「しかしさっき、私のために人間界と接触とか
 いわれましたが、私の妻は死んでないんですか」


「そうじゃ、彼女はもともと、
 この世のものではないのだが、君に一目ぼれして、
 人間界で暮らしていこうとしてたのに


 君があの骨董屋でうっかり、
 星のしずくを彼女に
 ふりかけてしまったもんだから」


「え、私が、私は・・・」


 消えてしまったか、
 それがあって、
 私はまたこの町を離れることにした


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