ゆるぱん

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小話-027-キャスリンのいななき

美女キャスリン・オブスクリームの嘶き
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冬の日差しに囲まれながら
彼と背中をくっ付けあって座っている私
幸せだわ、キャスリンはそう思った


次にボールがあの忌まわしいボールが
飛んでくるまでは
ボールは彼のメガネをふっ飛ばし
こわしてしまった
そしてあの憎ったらしい小娘が
やってきた


そして言った
「お怪我はございませんでした?
 まことに、本当にまことに
 ごめんなさいね、私たら
 どじでまぬけで、美人なものですから
 つい、美男子をみると
 手がそっちのほうに伸びて
 しまうんですの」


ついでにボールもなのか、とキャスリン
は言おうとしたがやめた
どこが美人なのよ、
私とあまり変わんないじゃない


彼はいつもやるみたいに
白い歯をキラリと輝かせて
彼女に近づきボールを優しく優しく
彼女の手の平に、まるで子猫の毛を
なでるように優しく返した


なによ、私と変わんない美人なのに
私もここで、やみくもに引き下がろうと
したけど、なんかしゃくに障って
そうね、その時たぶん、
おなかがすいていたんだと
今から考えると思うわ
そう、今考えるとそういう事にするわ


「君は見たところも無い美人だね」
彼は、そう口走った
なによ、何をしろうと美人あいてに
気取ってんのよ


「君はこの近くなの、だったら
今度の僕の豪華な素晴らしい誕生会に
抽選もれでも、あえて招待するよ」


「まあ、うれしい、私、この近くの
閑静な高級住宅地に両親とたった3人で
両親不在宅時は、すごくたったの1人で
住んでいますのよ、ほほほほ」


彼は目を輝かせて彼女をじっと見た
彼女も彼をじっと見詰め
二人は・・・・


カット!
カット!
カット!カット!カット!
私は二人の間に入り込み


あーら、ごめんなさい
彼は私の彼なの
だから彼なのよ、わかる
わかったら、そのボール持ってさっさと
帰って頂戴、もう二度と・・・


と言おうとしたが
小石につまづきひっくり返ってしまった


「あーら、あなたも
どじでまぬけで、美人なのね」


美人と言われて、キャスリンは
さっき言おうとした言葉が空白になり
すばやく身づくろいをして
彼の横に立った


「ふうん、お似合いだわ」
彼女は、そう言った


「遠くから見えたんだけど
彼、わざとメガネをボールにあてたのね
そうだわ、絶対、天地がひっくり返っても
ここは譲らないわ」
彼女は、そう付け足した。
(こう付け足した?)


なんて事を、どつくのかしらこの子
とキャスリンは思った


すると、彼も
「実はそうなんです」と
のたまった


げげ、事実は小説よりも奇なのかと
キャスリンは仰天した


もう、こんな彼とつきあっていけないわ
あなたにあげる
さっさと、お持ち帰りあそばせ
と言おうとした



彼、あろうことか


「僕の彼女って、冗談だずきなんだよ
だから、彼女を笑わせようと思って
わざと」


「あら、そうでしたの、仲がよろしいようで」


へえ、そうなの
そんな一面があったなんて
彼も、なかなかやるもんだと
さっきボールが当たった瞬間を
思い出して、ぼーとしていたら


二人は手をつないで
遠くに行ってしまった


なんてこと、なんてこと、
ぐわー、事実は小説よりも奇なのかと
キャスリンはこんどは
パーの根もチョキの根も
グーの根もでてこないほど
すごくぎょうてん逆さまに憤慨した



ひどい、くやしい
バタン、バリン、グシャ
ベリベリ、ドカン
家中をひっくり返して
キャスリンはベッドに埋もれ
次のターゲットに電話した


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